完璧なローストビーフを作る(美味しいローストビーフを作るために実験してみた。Vol.2)

完璧なローストビーフを作る(美味しいローストビーフを作るために実験してみた。Vol.2)

前回美味しいローストビーフを作るためにいろいろ実験しましたが、Vol.2でいきなり完結したいと思いますw

もちろん低温調理なので、低温調理器が必要です。

本家ならこれ。

パチもんも色々あります。

個人的にはどちらでも良いと思います。好きな方を買ってください。

で、記事にはしていませんが数回、数パターンでローストビーフを作り、自分の中でベストなローストビーフのレシピが出来ました。
もちろん、今後これ以上のレシピが出来るかもしれませんが、恐らく他のどこに出てるよりも一番ジューシーで柔らかい(味付けはいろいろ好みがあるので)ローストビーフのレシピだと思います。

ポイントはいくつかありますが、それ以外の部分は自由にアレンジしてもらって良いと思います。

しっとりジュージーなローストビーフを作るためのポイント

とりあえずここだけは守って、味付けは適当にアレンジして下さい。

ちなみにここでの話は外国産の牛肉のモモ肉です。それ以外の部位では異なるかもしれません。また、和牛でローストビーフはやったとこありません。オーストラリアのビーフを使うことが多いです。個人的には外国産牛の方が好きです。

  1. 最初に塩は「絶対ダメ!」 塩味は加熱後に加える
    なぜかあらゆる他のレシピは最初に塩こしょう(醤油含む)などをしてから低温調理に入りますが、どういうことなんでしょう?
    塩は肉から水分を抜くというのは割とメジャーな知識だと思うのですが・・・。
    低温調理時に塩分が入ると肉から水分を抜かれます(浸透圧の関係で、加熱時に塩分があると肉の水分が抜かれパサつきます)。また、その作用は温度によって変わり、高温で水分の移動スピードが速くなるようです。なので、塩や醤油の味付けは加熱後に行います。塩分以外の味付けは先に行って良いです。
  2. 温度と時間は55~56℃で8~10時間
    あえてばらつき出してますが、低温調理の温度は55℃~56℃くらいがよいと思います。それ以上は好みです。もっとレアな感じが良ければ50℃くらいまで下げても良いと思うし、しっかり火が通った感じが良ければ60℃くらいまで上げても良いかと思います。ただ、調理後に表面を焼く、または炙る前提です。55℃以下の調理の場合は必ず表面全体をフライパンで焼くか、バーナーで炙りましょう。(牛肉は表面にバイ菌が付いているため)
    とはいえ、ローストビーフは調理温度に限らず、周りの焼き色は付けたほうが良いと思います。
  3. 上記の温度、時間の調理では、他の温度と時間で調理したときよりも味の付き具合が強いです(理屈はわかっていませんが、なぜか9時間前後のときが一番味の染み込みが良いです)。

これ以外は特に気にすることはありません。味付けはお好みで色々試してもらいたいですが、一度、このレシピ通りにやってもらうことをオススメします。

レシピ

簡単に言えば、55.5℃で9時間熱を加え、その後、好きな味付けで一晩マリネします。周囲を焼くのは加熱後かマリネ後のどちらでもかまいません。

材料

香り付け~低温調理

牛モモブロック肉 ・・・・・ 500~600gくらいが作りやすいかと思います。量はお好みで。

マイタケ ・・・・・ 適当。肉全体にまんべんなく行き渡るくらいの量。

ハーブ系のスパイス(ホール) ・・・・・ 適当(オレガノ、バジル、タラゴン、ローリエなどを使いました)。

ブラックペッパー ・・・・・ 適当、お好みで。

オリーブオイル ・・・・・ 50~100ccくらい(肉全体にスパイスを回せるくらいでOK)。

量が適当ばかりでふざけてんのか感がありますが、ほぼお好みで良いです。

低温調理前にハーブをまぶすのは香り付けで、分量の多い少ないはそれほどの影響はないと思います。マイタケは酵素の働きで肉を柔らかくする目的で入れます。ぶっちゃけオリーブオイルとマイタケだけでハーブの香り付けはナシでも良いです。

味付けのマリネ用(お好みでアレンジしてね)

赤ワイン ・・・・・ 150cc

水 ・・・・・ 250cc

ニンニク ・・・・・ 2片

醤油 ・・・・・ 60cc

タマネギ ・・・・・ 1/4個

セロリ ・・・・・ 葉側の1/2個

漬け汁の味を見るとちょっと塩っ気が強いなぁってくらいの感じで、だいたい塩分濃度で1~2%くらいだと思います。このくらいが胡椒程度でいいくらいに味が付きますが、これより薄めにして別にソースをかけたり、塩や醤油を足してしっかりめの味付けにしても良いと思います。

作り方

今回はオーストラリア牛のモモブロックを使いました。

まず、ペーパータオルなどで牛モモブロックのドリップを拭き取ります。

肉をジップロックなどに入れ、ザックリみじん切りにしたマイタケとハーブ類、ブラックペッパーとオリーブオイルを加え、全体に行き渡るように馴染ませます。正直ここの味付け(というか香り付け)はなくても良いのではとも思います。めんどくさい場合はオリーブオイルとマイタケだけでも良いかと。

低温調理器で55.5℃で9時間調理します。55℃でやるときも56℃のときもあります。その時の気分です。

調理中にマリネ液を作り、ジップロックなどに入れ、冷やしておきます。

まず、赤ワイン150ccを中火で煮詰めます。(アルコール飛ばすくらいの感じで10分ほど)

だいたいアルコールが飛んだくらいで、水250ccとニンニク1~2片くらいをみじん切りかスライスにして加え、醤油60cc加えてさらに煮詰めます。ニンニクは香りを強くしたい場合は細かめに刻むかすりつぶし、香りを軽く付けたい場合は粗く切るかあまり切らないで調整して下さい。

肉の量によって漬け汁の全体の量は調整して下さい。

また、お好みで醤油と赤ワインを減らしてやや薄味付けにしたり、塩を加えてしっかりめの味付けにしたり調整して下さい。好きな野菜やスパイスなどを加えても良いと思います。

5~10分くらい煮詰めたら火を止め、セロリの葉を適当にカットし加えて少し冷まします。常温以下くらいまで冷えたらタマネギ1/4個スライスを加え、調理が終わるまで冷蔵庫で冷やしておきます。タマネギを冷やしてから加える理由は、タマネギにも肉を柔らかくする酵素が入っていて、温度が高いと酵素の効果があまりなくなるので、ある程度冷ましてから足します。低温調理時にマイタケを入れているのであまり気にしなくても良いかなとも思いますが念のため。

9時間の調理が終わったら肉を取り出し、マリネ液に移して冷蔵庫で一晩おきます。

その後、ペーパータオルなどで水気を取り、プライパンまたはバーナーで表面に焼き色を付けて少し冷蔵庫で落ち着かせて出来上がり。表面の焼き色は低温調理後に付けてからマリネしても良いです。表面はフライパンよりバーナーで炙る方がオススメです。フライパンだとどうしても焼きムラが出たり、焼きすぎたりするので、バーナーならその辺をいい具合に出来ると思います。

ポイント

一番のポイントは調理を終えてから(加熱を終えてから)塩分を加えることです。これによって仕上がりの水分量が全く違います。

塩を加えると浸透圧で肉の内部の水分が外に抜けてしまいます。また、加熱の段階では分子の移動が早くなるため、水分が抜けるのも早くなります。

マリネを先にやってから肉だけ低温調理した場合でも結果は同じくパサつきました。恐らく、加熱前に残った塩分が加熱時に水分を出すのだと思います。

究極的には加熱後のマリネもしない方が水分の抜けは少ないのでしょうが、高温での塩分の脱水が低温時に比べ明らかに多いのだと思います。

最後まで塩分を入れないで作れば、もっとジューシーなローストビーフになるのかもしれませんが、個人的にはソースなどでちゃんと味を付けないと肉の味しかしないローストビーフには魅力を感じないので、ある程度そのままでも食べられるこのレシピが最強だと思っています。

これよりいいレシピを見つけたら是非教えて下さい。

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